「飛鳥Ⅱ」な日々...その5

普天間かおり

2015年05月09日 20:18

またまた飛鳥Ⅱな日々ですよ。(笑)
お付き合いくださいませ。


今回の飛鳥Ⅱ世界一周クルーズで、少しだけ気がかりだったのは・・・海賊海域での航行です。
海賊行為の数は減少傾向にあるようですが、世界情勢が日々変化する中、実際に海賊行為が発生している地域をゆくわけですから。
飛鳥Ⅱもそういった背景を考慮し、クルーズ予定を変更したり様々な対策を取っていました。
特に海賊行為が発生しているアデン湾やアラビア海を含む海域での航行では、厳重な保安対策を実施していました。
保安訓練もしっかりと、また、万が一のときのための細かな避難方法、非常警報の確認などもあり、気持ちがピリッとしましたが、安全な通航のため大切なことですものね。




たとえば、決められた期間デッキへの立ち入りは禁止。
昼夜を問わずオープンデッキ、ベランダには出ないように。
窓際には近づかないように。
レストランやラウンジも窓際の席を窓から離して設営。

灯火管制もありました。
夜間のオープンデッキの照明はすべて消灯。
各部屋のカーテンは閉め切り、室内の灯りが漏れないように。
外部デッキに向けて夜間のフラッシュ撮影の禁止。
リアルタイムでの具体的な船の位置など、外部への情報発信の禁止。


アデン湾では、海上自衛隊の護衛を受けての航行でした。
護衛艦、そしてヘリコプターや飛行機など空からの護衛も。
さすが、飛鳥Ⅱですね。。。

少しの間、護衛艦「むらさめ」にとても近い距離で並行するときがあり、乗客の大勢の皆さんと飛鳥Ⅱのデッキへ集合。
護衛への感謝の気持ちを伝えようと大きく手を振っていました。
すると思いもかけず護衛艦からアナウンスが!
「飛鳥Ⅱの皆さんからの激励に感謝します。無事に航海できるよう全力で取り組みます。」というような言葉を届けてくださいました。
自衛隊というと、現在政治的にとても難しい複雑な状況もあるかと思いますが、右とか左とかそういった思想的に受け取らないでくださいね。
ふと、東日本大震災の時、大勢の自衛隊の皆さんが救助や支援物資の運搬、復旧復興へ尽力されていた姿を思い出したのです。
津波にのまれた町のあちらこちらで手を合わし、黙々と活動されていたシーン。
国民の命を守りたい、という強い想いで活動されている精神はなんて尊いのだとあの頃何度も感動していました。
今回の護衛も(比較することはできませんが)、きっと使命をもって務められているのだろうことを思うと、何だか胸がぎゅっとしてしまったのです。うまく言えないけど。




海上自衛隊のfacebookに写真が投稿されていました。




さらに航海は進み紅海。
そしていよいよスエズ湾へと。






エジプトが見えた!アフリカ大陸だっ!!
久しぶりの陸に大興奮。




さすがスエズ運河。
一日80隻の船が通航するそうです。
あちらこちらに通過を待っているであろう船の姿が見えます。


飛鳥Ⅱは寄港する港、通過する国の国旗を掲揚していました。
青空が清々しい。


ちなみにエジプトの国旗はこれです。


スエズ運河目前!
写真右側、大きな船が見えますか?その前方がスエズ運河です。

当初の予定では、朝5時30分~6時頃から運河通過開始だったのですが、待てど暮らせどスエズ運河当局からの連絡が来ず...
結局飛鳥Ⅱの通貨許可が出たのが16時頃?!?
これがアラビア時間だそうです。
\(◎o◎)/
ウチナータイム、負けてるな。(笑)

それから、スエズ運河の通航料をご存知ですか?
約2,730万円 だそうです。
\(◎o◎)/ びっくり \(◎o◎)/
通航所要時間は10時間~18時間。


スエズ運河を通過する際、ボートマン、エレクトリシャンと呼ばれる水先案内人がお手伝いするために、こちらの船に乗り込むのだそうです。
(通航料はそのお手伝い金も入っているのですね。)
小さな船から飛鳥Ⅱへやってきましたよ。

面白いのが、そのボートマン達の副業が実は商人なんです!
乗り込んだ船でお土産を広げ販売するんですよ。(笑)
これもびっくり。
しかも...泥棒、たかりが横行しているそうで。(>_<)
(他国の人を悪く言うようで気が引けますが、文化の違いとして。)
船内の取り外せるものは全て頂戴するのだとか。
”自分の物は自分の物” ”お前の物も俺の物”
ですから、部屋のロックなど、何度も注意のアナウンスが流れていました。


デッキでは、本当にお土産屋さんが並んでました。
値段設定はジャパンプライスらしく、通常の3~5倍ですって。値切ることが腕の見せ所?だとか。

「シェンイェン、シェンイェン!!」

・・・・・むむ、お主、慣れてるな。

アラブの商人のニホンゴはたどたどしいけれど、逞しさを感じたわぁ。(^_^メ)









待ってました!!
スエズ運河通過です。






左手には近代的な建物や、アラブの風情を感じるような街並み。
右手にはどこまでも続く砂漠が広がっていました。




これは橋になるそうで、有事のときには実際に使われるそう。


10時間程予定がズレ込んだので、本来風景を眺められるはずが夜の通航となり・・・残念。(>_<)
この日私のライブがあったのですが、急きょ夕暮れ時のスエズ運河を見ながらデッキでの野外ライブに変更♪♪
これはなかなかない、貴重なライブとなりました!




すっかり夜も更けた頃、エンターテイメントの皆さんと集まってエジプトの月明かりの中で乾杯☆
いいひとときでした。
この橋は「ムバラク平和橋」といい、もう一つの名を「日本・エジプト友好橋」。
日本政府が協力を続けてきたスエズ運河架橋だそうです。橋には日本の国旗も掲げられていました。
遠く離れた異国の地で、とても誇らしい気持ちになりました。


さぁ、最後のロードス島までもう少し。

・・・・・つづく。